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「人は作業を通じて健康や幸福になる」
作業療法の定義の注釈には以下のような文章があります。
作業療法は「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて行われる。
作業療法において、人は作業を通じて健康や幸福になる、ということは、すでに証明された前提条件になるわけです。
このことは、作業は良くも悪くも人の健康や幸福に影響を与える、と言い換えられます。
では、人の健康と幸福に、プラスの影響を与える要素が多い作業とは何なのでしょうか。
健康に役立つ作業=体操?
健康にプラスの影響を与える要素が多い作業、つまり健康に役立つ作業として、まず思い浮かぶのは「体操」です。
体操(運動)が、体にも脳にもいい影響を与えるというエビデンスは多く報じられています。
では、人は健康になるために、全ての作業時間を体操にあてて取り組んでいけばいいのでしょうか?
極端な例かもしれませんが、健康意識が高く、健康に関するものは何でも取り入れ頑張っている人が、
傍から見たら不健康そうであることは、想像に難くない現象です。
作業療法が、かつて陥っていた還元主義的なパラダイムに近い考え方と言えます。
しかし、健康を維持するために、一定量の運動が推奨されている現実もあります。
厚生労働省による、健康づくりのための身体活動基準2013という指針があります。
このバランスをどう考えればいいのでしょうか?
「作業バランス」という考え方
人は、生きがいと呼ばれる、それぞれが大切にしている作業を行えている状態が、健康であると感じられます。